その度に彼を思い出すから……


正直、彼からのプレゼントは品物としては最悪だった。


趣味の悪い
オバサンが持つような手提げバッグだった。

私があの日、
プレゼントを開けて涙が止まらなかったのはプレゼントが嫌だったわけでもないし、

恋の終わりに決着をつけたからでもない。



男っぽい彼は
絶対にこんなものを買いに行くタイプではないからだ、


私のために
そんな彼が買い物をしてくれたのが嬉しかったから……


忙しい中、私のための時間を作っていたのに

私は何も見えていなかったから……


そんな私に呆れてしまったんだろう……


X'mas直前まで
ツナゲラレル愛を
自ら切ってしまったのは私の方だった。


そう…

私が泣いたのは

それに気づいてしまったから。


本当に欲しい品物は
自分で買えばいい。


相手が私を思ってくれる時間は買うことは絶対に不可能だ。


私は今まで
それが欲しかったんだ。


そう気づかされた……

皮肉にも彼を失ってから そんな簡単な事に気づかされたのだった……