『明日は仕事で集まりがあって、
帰ってこれないんだ』

「え?いつ帰ってくるの?」

『明後日だな。』

「どこ行くの?」

『すぐ近くだけど、
船で一晩すごすんだよ。』

きっと…、
本当の話なんだと思う。


だけど、
心のどっかで
違うような気がしてならない。

そんな不安に思う気持ちを
悟ったのか彼は機嫌を
伺うかのように
私との距離をよせた。

『船から花火見るんだとよ、
凄くね?』

「……」

更に顔を近づけてくる

『花火だぞ、見たいべ?』


正直、見たくない。

と、いうよりも

花火がムカツク!!

おかしいのは分かってる
ケド!


花火にさえヤキモチをやいてしまう。



『おい、聞いてるか?』
彼は優しくkissをする。

「私…
見る花火よりも
やる方が好きだし」

『お子チャマだな~』

頬をツンツンしてくる彼は
優しい笑顔を私に見せた。

ツラレテ少し笑った。


ううん、違う。

彼の笑顔を見て

笑顔が消えている自分に気づいて
ムリヤリ笑ったんだ、



その下手クソな笑顔は
案の定、
長くは続かなかったし
当たり前に
心の奥は泣いていた。


たいしたことじゃないんだと、
何度も言い聞かせるケド、
私の心は
思った以上に頑固だった。