「あっ」



小鳥のさえずりと朝日に照らされて登校する。



太陽は秋だというのに眩しすぎるくらい照っていて、
少し額に汗を滲ませながら下駄箱で靴を履き替える。



習慣の行動は無意識に体が動き、考えなくても勝手に下履きから上履きへと代わった。



そんな時に見つけた人物に思わず声を上げた。



拓真だ。



昨日のクラスの女子の言葉を思い出す。



拓真の好きな人……か。


ちょうど1人だし、今きこっと。



「た……」



でかかった言葉が突然の衝撃に止まる。



誰かに腕を引っ張られる感覚。