『何の雑誌ですか?』

『読むー?ファッション誌だけど』


雑誌を広げたまま後ろに手渡す笑はお財布を持ってまた席を立つ。


『なに、どこ行くの?』

『下の自販。なんか要る?』

『じゃあ、リンゴジュース』

『了解、パックのでいいよね?絋哉くんは?』



入口で一度止まった笑に頷くと、絋哉は首を横に振った。


『大丈夫です、もう戻りますから』


はいよー、と言って笑が出ていくとまた絋哉がクスクス笑う。


『そんなに雑誌面白い?』

『ううん、笑先輩。なんかパワフルだよね』