まもなくして、俺達の新しい担任が来た。

「小河先生か」
去年と一緒だった。

去年嫌と言うほど見た、女性(中年)国語教師の後ろに女の子が居た。
天然ボケブルマ少女だった。

「今日から、このクラスを担当する小河です。もう自己紹介もいらないでしょう?」

いらねぇよ!
それより、あんたの後ろの生物は何だ!
続けて小河先生が、
「今年で最後の学年になるけど、みんなよろしく」と言っていたが、誰一人聞いていなかった。
俺は、ちゃんと聞いてたよ!
だからちゃんと心の中で返事をするぜ。
『はいはい、よろしく』
『そんなことより話すことがあるでしょう先生!』

「では、みんな気になっているこの子ですが・・・」

小河先生は、丁寧な字で黒板に書き始めた。


『川瀬・・・?』
ああ名前か。誰の?
天然ボケブルマ少女のだろう。

「川瀬綾子です。よろしくお願いします」

天然ボケブルマ少女は可愛かった。
正直に言おう!
一目惚れって奴だよ!
ベタベタと言われても俺は構わない!
転校生に恋するなんて、何時の時代の漫画だよ!
それでも、しょうがないだろ!

転校生が可愛いって稀だぞ!
一応謝っとく・・・
『俺の独断と偏見だ。スマン』
しかも朝からパンツ見たんだぜ!
あ、いやブルマか・・・
ブルマでもだ!!
転校初日にスカートの中を見るって言うのは、もう『運命』としか思えないね!

ああ、神様ありがとう!

でも神様、
もしこの世に本当にいらっしゃるのなら、
神様、
それはあまりに残酷すぎるだろ!!!


『母さんと、同じ名前だ・・・』


川瀬綾子は家庭の事情で止むを得ず、高校三年と言うくそ忙しい時に転校してきたらしい。
俺は、その面白みの無い話に耳を傾けることが出来なかった。