校舎入り口に貼り出された、クラス替え表を見て新しい教室に向かう。
俺のクラスは三年二組らしい。
そして、俺の隣にいるコイツもそうらしい。

「またお前と同じクラスで、俺はうれしいね!!」
声がでかいんだよなコイツ。

「よしっ!万歳するか?万歳」
しかも、バカだから余計に困る。
いや、バカだから声がでかいのか?

「恥ずかしいからやめろよ!」
「まったくもってその通りだ。万歳は辞めとこう」
まったく意味が分からん。
コイツ・・・『横山』とは中学からの腐れ縁だ。
いつもは、意味の分からんことを言っては、はしゃいでいる。
かと思うと、些細なことで塞ぎこむ。
かなり、情緒不安定な奴だ。
まあでも、付き合いは一番長い。
なんでだろうな?

横山と駄弁りながら歩いている内に、二組の教室に着いた。

教室に入る。
これから、新しい学園生活が始まると思うと少しウキウキした。
教室の作りは、前の学年とぜんぜん変わらないのにな。

黒板にデカイ字で
『好きな席に座って待機』
と書いてある。

・・・・・・ヤバイ!!

教室を見る。
後ろの席はもう埋まっていた。
当たり前だ、少しでも平和に暮らしたいもんな。
俺だってそうだ。
平和な学園生活を送りたい。

『他にいい席は・・・窓際!!』

急いで窓際の空いてる席に荷物を置いた。
これで、数日は楽しく過ごせそうだ。
横山はその後ろに座った。

「やっぱり、万歳しとくか?」
「やめとく」
なんで俺コイツと付き合い長いんだろうな?