僕が人間界にやってきたのはかれこれ4年くらい前。


そう、


僕は人間じゃない。



死神見習い。



ちゃんとした死神になるために人間界に修行にやってきた。



僕の仕事は、余命間近の人間を探し、死亡当日に命をいただく。



僕の右腕とも言えるこの刀で、ズバッと背中を斬る。



ちなみに刀は普通の人間には見えない。


神様の力がちょこっと移ったら見えるけど、移ることはまずない。あってもマレなこと。


だから僕は街中で堂々と刀を持って歩けるし、刀を降り降ろし人を切っても罰せられない。



ただ、刀が見えない分、はたから見ると変なヤツに見られることがあるので、なるべくさり気なく、人目につかないところで、



斬る!



ちょうど人間界で500人斬った頃、




僕は何のために死神になるんだろう。



ふと思った。


他のヤツは着々と、そして淡々と修行をこなしていく。



僕はふと悩んだのだ。


今考えればそんなバカバカしいことで悩まなければヨカッタと思った。



さっさと試練をこなしてさっさと死神になれば、ヨカッタ、と。