入学説明会と制服の採寸、教科書購入のために4月から通う学校へ行っていた。

電車で20分、駅から15分坂を上った山の上に県立東野(ひがしの)高等学校はある。

自然に囲まれた環境のいい場所であるが、東野の冬はもっぱら寒いと評判の高校である。

進路指導に厳しいと言われている高校でもあり、ちゃんと結果もついている。

あたしもそれを見てこの高校に決めたんだけど。

1クラス40人、各学年7クラスあり全校生徒は800人を超える。

その中で同じ中学校出身はクラスに4・5人いるくらいだ。

ほとんどの人は知らないという感じ。

不安がないと言うわけでもないけど、自らが他の世界に飛び込むのは好き。

それと出来るだけ新しい友人を見つけたいってのもあってこんな辺鄙なところにある学校にしたんだ。

説明会は校長先生の挨拶から始まり、生徒会長やPTA会長や新学年主任なんかがいらない話をグダグダ続ける。

終わる頃には眠気におよばれしていた。