SEASON

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「もうそろそろだから準備よろしくー」

と、控え室の扉を開けたのはカジさん。

いよいよ、だ。

風幸の言葉で幾分か楽になったけど、まだまだ不安は消えない。

「そない気難しい顔せんと。風幸から聞いたやろ?失敗したって素知らぬ顔しとけばええだけやさかい気楽に、やで?」

ベースを片手に千明はあたしの額にデコピンをかまし、軽く笑いながら扉をくぐった。

額を押さえながらその後ろ姿を見送っていると今度は陽生があたしのそばに来た。

「そこ風幸のドラム運ぶのに邪魔になるから先行っとこうか」

後ろを振り返ると風幸とカジさんがせっせかとドラムを運ぶ準備をしている。

さすがにあれを運ぶのは大変だね。

あたし、ギターで良かったかも。

なんて思いながら陽生を見ると手ぶらだった。

陽生はヴォーカルだから自分の喉だけあればいいんだ。

一番楽な役だよね。

「陽生、ドラム運ぶの手伝わなくていいの?」

と聞くと「俺は捺未のお守り役だから」とか言ってあたしの頭をくしゃ、とする。

あたしは陽生たちより幼いかもだけどたったの四年の差じゃん!