頭の上から陽生の声が聞こえてきて、やっと今の状況がわかった。
後ろから抱きしめられてる?
――――ッッッ!!!!!
フラッシュバックするものがあって一瞬にして寒気が全身に走り、乱暴に陽生の腕を振り払い、離れた。
「捺未?」
そこまで嫌がられるとは思ってなかった陽生が不思議そうに見てきた。
「あっと……ごめんごめん」
あたしは無理やり笑って流し、陽生から目をそらした。
それをあまり気にする様子もなく陽生はあたしを『マスター』に紹介する。
「こいつが新しく入ったギター担当の栗原捺未。捺印の捺に未来の未、な」
漢字まで教えることはあるのかなと思いながら「初めまして」と軽く会釈する。
「捺未ちゃん、ね。じゃぁなっちゃんね。あたしの事はマスターでいいわよ」
マスターは今度は抱きつくことはなくあたしに笑いかけた。
ほっ、として笑い返したあたしの耳元で千明がこそこそと囁く。
「本名は山田篤(アツシ)て言うねん。もろおっとこ前な名前やのにこんなんなってんで?」
笑いを含む千明の声を聞いたのと同時にゴツ、とあたしの頭ではない頭が何かにど突かれる音を聞いた。
後ろから抱きしめられてる?
――――ッッッ!!!!!
フラッシュバックするものがあって一瞬にして寒気が全身に走り、乱暴に陽生の腕を振り払い、離れた。
「捺未?」
そこまで嫌がられるとは思ってなかった陽生が不思議そうに見てきた。
「あっと……ごめんごめん」
あたしは無理やり笑って流し、陽生から目をそらした。
それをあまり気にする様子もなく陽生はあたしを『マスター』に紹介する。
「こいつが新しく入ったギター担当の栗原捺未。捺印の捺に未来の未、な」
漢字まで教えることはあるのかなと思いながら「初めまして」と軽く会釈する。
「捺未ちゃん、ね。じゃぁなっちゃんね。あたしの事はマスターでいいわよ」
マスターは今度は抱きつくことはなくあたしに笑いかけた。
ほっ、として笑い返したあたしの耳元で千明がこそこそと囁く。
「本名は山田篤(アツシ)て言うねん。もろおっとこ前な名前やのにこんなんなってんで?」
笑いを含む千明の声を聞いたのと同時にゴツ、とあたしの頭ではない頭が何かにど突かれる音を聞いた。


