SEASON

その翌日から通常授業で、その翌日、ついにライブハウスに初めて行く日がやってきた。

昨日の夜から落ち着かなくてずっとギターに触ってて、思わずギターを抱えながら寝てしまった。

朝になってももちろん落ちつくわけなく、ずっと弾いている。

それを見かねた陽生は「そんなに構えなくても大丈夫」って言うけど、人生初じめてのライブとか緊張せずに何をしろって言うの!

その機会を作った張本人に言われても説得力ないしね。

って感じで朝からスタジオに入りっぱなしなあたしを3人は暖かい目で見ていてくれた。

「俺らは6時半から30分やる予定。その前にマスターに挨拶に行くから6時くらいに出るぞ」

という陽生の言葉に焦る一方。

なんだか泣きたくなってきた。

全部放り出してこの場から立ち去りたい…。

あー、もーやだぁ。

あたしの心の叫びも虚しく時間は刻一刻と過ぎていき、陽生に肩を叩かれた。

「もうそろそろ行くぞ」

「…う、うん」

やっぱり逃げられないんだねと諦めて移動した。

このスタジオの隣に本当に『マー』っていうライブハウスがあった。