SEASON

何食わぬ顔で陽生は予定通りに進めるけど、あたしは気が気じゃなかった。

誰かにバレてないかどうか…。

名前聞いてピンと気付くのは仲のいい友達くらいだと思う。

けど、あたしはハラハラだ。



「学校の裏にある青色のベンチ
そこから見上げる空は真っ青で
木の間から差し込む木漏れ日は
眠気を誘う」



恨めしそうちらちら陽生を見ていると、目が合った。

その瞬間、笑った。

客席からは数人の女子生徒の黄色い声。

もう虜にしてしまったのか…じゃなくて!陽生が間奏の合間にこそ、っと耳打ちしてきた。

「顔がバレてないから大丈夫だって」

そう思うんなら最初から名前ださないでよ!せめて偽名にするとか他に色々あったでしょ!!



「青いベンチから見上げると
いつもの青い空に
赤が、黄が混じる
少し冷たくなった風が
赤い葉を俺に降らす
足元にはふかふかの赤い絨毯」



陽生には腹がたつものの事はスムーズに進んでいった。

そして終わりが近づいた頃、思いもしなかったことが起こった。