SEASON



風幸の本音を少し覗いてからしばらく経った。

その間に3人は元通りの関係に戻り、いつもの空気で最終調整をした。

ほどなくして校内放送でサプライズゲストであたしたちがきていることが流され、もうそろそろ始まる。

幕の向こうにはあたしの知った人たちがいる。

クラスの友達や、担任とかいつも一緒にいる3人とか。

帽子のつばで顔が見えないように深くかぶる。

誰にも見つからずに終わってほしいなぁ。

┼┼┼┼┼


『本日のサプラーイズゲストの登場です!』

ノリのよい司会の声と同時に目の前の幕が上がる。

帽子のつばのお陰で客席は見えないけど、拍手とか反応でそれなりの人数がいることがわかった。

その中にはもちろん彼女たちもいるわけで…バレないように祈るだけ。

別に隠してたわけじゃないけど、あたしには堂々と胸を張って言えることじゃ無かっただけ。

もやもやする気持ちを振り払うように予定通り、誰も言葉を発せず一曲目をやる。

注目して欲しいときによく使う演奏の仕方だ。

言葉より伝えたいそのものの方が直接心に響くというのを最近知った。

今回もうまくいったようで体育館のざわつきがなくなった。