SEASON

絶対そうだ。

陽生のこの笑顔に間違いない。

「つーことで明日よろしくな」




…今思いだしても腹が立つ。

陽生にいいように使われたとしか思えない。

「はぁぁ」

大きなため息をしてソフトケースに入ったままのあたしの大切なギターを背負って両手にアンプを抱えた。

あたしの楽器は他人には絶対に触れさせない。

どうしてって言われても、嫌な思い出は人に話したくないのは当たり前で…。

何も言わなかったあたしをそのままにしてくれて、さらにこの3人――――陽生、風幸、千秋は理解してくれた。

声をかけると言う優しさを持ってる人がいるけど彼らは聞かないと言う優しさを持っていた。

それには前、すっごく助かった。

お礼の言葉は言ってないけどすごく感謝してる。

――――ありがとう。

「よし、俺らは先行くか」

隣にいた陽生もあたしみたいに千秋のベースを背負ってアンプを抱えている。