SEASON

考えている間にも時間は刻一刻と過ぎて行き、朝ご飯を食べるのを惜しんで家を後にした。

いつもより数本早い電車に乗り、早足で学校に行ってなんとか間に合った。

その後朝から歌の練習をして全員体育館に集合。

生徒会主催のオープニングセレモニーがあって、一年の合唱がある。

あたしのクラスの順番は丁度真ん中あたりで、なかなかいいできだった。

これは全て部活命の男子らが頑張ったからだと思う。

景品って言葉を聞いただけで目の色変えて一生懸命練習するんだから…男子ってほんと単純。

目の前に餌をぶら下げてれば本能で飛びつくんだろうな。

それをうまく操った吉良くんはすごいな。

全クラスの合唱が終わった後、二年生の教室展示に行く。

ほとんど自由行動だからみんな仲のいい子と回る。

それにあたしも当てはまり千鶴、愛菜、朱理の3人と一緒に回った。

今年の展示のテーマは立体らしくて、発砲スチロースで作ってあるのが大半だった。

ジブリの世界を再現したりジュラシックパークのまねしてたり様々だった。

見て回っている中でふと思い出したように愛菜が言葉を漏らす。

「知ってる?今年ってなんか特別ゲストが来るらしいよ」

「ゲスト?いつ?」

勢いよく食いついたのはもちろん朱理。

朱理と愛菜はこういう話が好きでよく2人で盛り上がってあたしと千鶴が聞き手に回るのが定位置になった。

「愛菜は明日って聞いたよー」

「明日?」