SEASON

もういないってわかってるからその面影をさがしてるだけなんだ。

「最後に、進路、高校卒業したらどうするか決めてるかしら」

周りの人を見ていて大学は楽しいんだって思うけど、お金がない。

いや、お金は有り余るほどあるけど、あの人たちのお金は使いたくない。

使ったらあの人たちに負けてしまったように思う。

だからあたしの答えはそれ以外。

「――――まだわかりません」

「そう。まぁ、まだ入学したばかりだし、これから見つけていったらいいわ」

そう言うと小宮先生はニコッと笑った。

「今日はこれでおしまい」

笑顔が似合う人だと思いながら「失礼しましたぁ」と言い教室をあとにした。

そのままあたしは家に一旦帰って着替えて休む暇もなくギター片手に家を出て駅に向かい、マーの隣のいつものスタジオに入った。

そこにはいつもの3人がいつもの顔をして待っていた。

「よう!今日はいつもより遅かな」

「あ、陽生ヤッホー。今日放課後個人面談があってね」

「個人面談とか懐かしい響きだなぁ」

「あはは、そんなこと言ってたら陽生もうおじさんだよ?」