SEASON

ベッドのすぐ隣には新しい教科書が結構な量積んであり、胸の高さの棚があり、その前に小さな机がある。

教科書と反対側のベッドの隣には愛用のギターが2本、アコギとエレキがある。

唯一あたしが持ってきた物だ。

あとは全て新しいもの。

出来るだけあの臭い、空気を持ち込まないように心が痛んだけど新しいのに変えてもらった。

物がそのまま置いている1DKの部屋はもちろん狭いけどあたしには丁度いい。

広さなんかどうでもいい。

あたしの大切なものさえあればそれで十分。

ぐっ、と体の伸ばしてベットから降りた。

朝ご飯は食べる気がしなくて台所をスルーして洗面所に行き、鏡を覗き込む。

昨日とちっとも変わらない顔を見て顔を洗う。

タケ兄と丹羽さんが来たのは丁度一週間前。

この一週間でまた学校に行って教科書と制服を受け取り、クラス発表があった。

クラスに知ってる人はいたけど関わりがない人たちばかりだった。

新しい世界に踏み込んだって思えて緊張よりこれからのことを考えると楽しくなった。