「ただいま……」 時刻は夜の8時過ぎ。 バイトが終わって、ようやく家に帰り着いた。 家に入っても、早苗は前のようにお帰りなんて言ってくれない。 俺が酔いつぶれて帰ってきた日から、早苗の様子が少しおかしいんだ。 夕食もバラバラ、しかも会話どころか目すら合わせてくれない。 思い当たる節が多すぎて、いったいなんでこうなってしまったのかすら分からないから、改善の余地も無いんだ。 「……んだよ」