いつ渡せばええんやろ。


クッキーは今渡すんか、別れ際か。




まぁ、いい。


いつ渡すとか、何を渡すとか・・・

そんなことは重要やない。



大事なのは気持ちって俊が言うとったな。




「美知さんのチョコ、めちゃうまかったです。ありがとうございます」



テーブルの上に、クッキーの入った箱を置いた。




「これ、どうぞ。何がええんかようわからんのですが、クッキーです」




「ありがとうございます。稔さんからお返しもらえるなんて・・・孫がうらやましがりますわ」





お孫さんも今日は好きな男の子からのお返しを待っているとのこと。



美知さんも待ってくれとったん?



運ばれてきた天ぷら御膳を食べながら、私は泣いてしまうんちゃうかと思うくらいに幸せやった。




ここ何年もこんな美味しい食事をしたことがなかった。



好きな人が前におって、美味しい美味しいって言いながら食べるってこんなにも幸せな気持ちなんや。




「美知さんと食べると、ほんまにおいしいわ」



「ほんまですか。私も稔さんと食べるとおいしいです」