部屋に駆け込むと、テーブルに伏せて眠るナツキが居た。 傍らにはバッチリ準備された夕食。 俺は胸を撫で下ろし、ナツキの肩を優しく揺すった。 「ナツキ、ただいま」 虚ろな目を向けて、緩く微笑むナツキ。 「お帰りなさい、貴弘」 俺も笑った。 ナツキのしなやかな髪を撫でた。 ナツキの言う「お帰り」は、なんて愛しいんだろう。 ナツキに呼ばれる名前は、なんて心地良いんだろう。 今夜のメニューはコロッケだ。 ナツキは味噌汁を温め直すためにキッチンに向かった。