「無視しないでよ、感じ悪いなあ」 女はそう言いながら俺を追いかけ、大胆にも腕を絡めてきた。 突然のことに動揺して、咄嗟に振り払うことも出来ないでいる俺。 女はそんな俺を見上げた。 大きくて強気な瞳が容赦なく俺を映し出す。 吸い込まれそうに綺麗な瞳に、ドギマギしてしまう。 「……なんなんですか?」 やっとの思いで発した言葉に、女はニッコリと笑う。 「あたし、帰る所がないの。一晩泊めて?」