ソファーに並んで座って話をしていると、ナツキは俺の肩に頭を預けてくる。 ふんわりと香る、シトラス。 「ねぇ貴弘、あたしを好き?」 俺はナツキの突然の質問に少し戸惑う。 恋人同士ならば愛の確認のためにする自然な会話。 だけど俺は答えに悩む。 俺はナツキを好きなのだろうか。 ナツキとの生活は楽しくなってきたけれど。 ナツキが可愛いとは思うけれど。 これを恋と呼べるだろうか。 「……好きだよ」 呟いたそれに、ナツキはふふ、と笑った。