「じゃあ、行って来る」 「行ってらっしゃい」 誰かの行ってらっしゃいが、こんなに嬉しいものだなんて知らなかった。 三日目ともなれば、行って来ますのキスも慣れたものだ。 俺は確実にナツキとの生活を楽しみ始めている。 俺達の間にあるものは恋ではない。 契約。 だけどナツキは信じられないほどの柔軟さで、俺の隣に居座った。 恋人というポジションで、確かにナツキはそこに居た。