会社の屋上に一人取り残された俺は、うんざりするくらい晴れた空を見やる。


いっそ、一思いに飛び下りてやろうか。


そうは言っても俺にそんな勇気はない。

湿り気のあるため息を吐き出すと、俺も仕事に戻るため屋上を後にした。


彼女、浅野さんとは同じ課に配属され、いつも明るい彼女に次第に惹かれていった。

ライバルが多いと言うことは承知の上だったんだ。

それでも俺に時折笑いかけてくれることに、淡い期待をかけていた。