月明かりだけに照らされるナツキの横顔は憂いを帯びていて、息を飲むほどに綺麗だ。 「彼の両親はあたしを責めなかったけど、陰では狂ったみたいに泣いてたわ」 愛する人が自分のせいで死ぬなんてどんな気持ちだろう。 どれほど悲しくて、どれほど悔しいのだろう。 「あたしは自分を責めたわ。彼は優しくて、誰からも愛される人だった」 青白い光がナツキの目でキラキラと反射した。 俺は咄嗟にナツキを抱き寄せる。 「辛いならもう言わなくていい」 だけどナツキは首を振った。