「ナツキは本当に不思議な女だよ」 ナツキに腕枕をしてやりながら、俺はぽつぽつと話し出す。 「気が強そうなのに実は家庭的で優しくて、すごく自然な雰囲気が居心地良くてさ」 「優しくなんてないわよ」 反論するナツキの髪をサラサラと掬う。 「優しいさ。そしてあっという間に夢中になった」 ナツキは黙る。 カーテンの隙間から青白い月の光が滲んでくる。 「ナツキが居た一週間、すごく、幸せだった」