「そろそろ練習再開しよっ!」

「ああ、はいはい!」

水に入る間際、私は視界の端に人影のようなものをとらえた。

もう一度しっかり見た時には、もういなかったのだけれど…。

「いけいちゃん、どうしたの?」

「あ、いや。なんでも…。」

「そっか。じゃ、始めようよ!」

元気な麻由に促され、私達は練習を再開した。




そして来る日も来る日も練習を重ねるうち、遂に私にとって初めての、麻由にとって運命の査定の日が来たのだった。