その日、烏丸家に戻ってすぐに慶人くんの部屋へ直行した。

幸い慶人くんは部屋にいて、私がノックもしないで入って来たものだから、少し驚きが見て取れた。

「慶人くんっ、お願いがあるの!」

「…何。」

慶人くんは机に置いてあった何かを私に見せないように隠し、私の方を向いた。