「元気だった?」


いきなり声をかけられて、ドキッとした。


「びっくりすんなよ~」


顔を上げると、あのとき雄也に殴られた男のアツシだった。


「ぁあ、久しぶり……」

「なにやってんの?こんなところで。遊ぼうよ~」


あたしの手を引っ張られて、コンビニの外に連れ出された。


「おい、流奈だぞ~!」


あたしの手を引っ張りながら、1台の車に近寄った。


中にはあのときいた和也と力もいて、車から降りてきた。


「流奈か~、またまた雰囲気が変わって、可愛くなったじゃんよ~」

「ってか、腕痛いよ……」

「あっ!ごめん、ごめん。ってか、冷たくねぇ?連絡しても出ねぇし」

「あぁ……」

「ねぇ遊ぼうよ!どこか行こうよ~」

「行かないよ!」

「いいじゃんよ~、冷たいなぁ。久々、会ったっつーのに」


いかにも悪そうな顔をしたアツシがあたしの腕を掴んだ。


「離してよ!行かねぇよ」

「なんなんだよ!その言い方は。俺たち、あのときあんな思いさせられてよ。それでも普通に越え掛けてやったのによ!」

「だから言ったじゃん。雄也を甘く見過ぎだって。ってか、弱すぎじゃん?あんたら4人いたのに、みんなボコボコ?気合い足んないんだよ!]

「マジよ~、チョット可愛いからって調子乗んなよ!」


あたしは男たちを睨みつけて、家のほうに向かった。


車はすぐあたしの後をつけてきた。


キレそうになりながら、落ち着くために理恵に電話した。


「はいよ~!どした?」

「あのさぁ、雄也に殴られたヤツらいたじゃん?いま会ってさぁ」

「で?どうした?」

「遊ぼうってしつこくて、拒否ったらついてくんだけど……。うざくない?」

「翼くんは?」

「まだなの……」

「でも流奈ぁ、相手は男なんだから気を付けなよ!」

「わかってるよ」

「早く帰りなぁ」

「うん、ごめんね」

「はいよ~!じゃね」


電話を切ると車が勢いよく近づいてきた。