「もっし~。支度完了だよ。どうする?」

「迎え行こうか?」

「えっ、バイク?」

「うん……、だって足ないから」

「ごめん!バイクは無理だよ。翼と約束したから」

「そっか、言ってたよね。ごめんごめん!じゃあ、駅で待ち合わせする?」

「そ~だね!」


家を出ると、バス停まで歩いた。


あたしがバス待ちしてるよ。


行儀よく列に並んでいる自分がおかしかった。


でも、翼との約束だから。


バスに乗っても、約束を守っているってことだけでウキウキした。


駅に着くと、理恵が待ってた。


「ごめんね~、バス遅いんだもん、理恵、早くない?」

「あたし、やっぱりバイクで来たの」

「危ないよ~?」


突然、理恵が笑いだした。


「なにが危ないだよ。流奈のほうが今まで百倍、危険犯してたから」

「あっ……、だよね」

「でも、すごく変わったよ!顔つきも刺々しだがなくなったよ」

「そうかな?」

「うん、かなりね」

「愛の力ってやつ?」

「はい、はいっ!のろけはウザイから」

「うるさいよ。だって、超~ラブラブだもん!」

「はい、うざいっ、流奈」


笑いながら電車に乗って、あたしと理恵は洋服を見たり、ご飯を食べたりプリクラを撮ったりして、久々の買い物を満喫した。


そして、帰りに可愛いパジャマを見つけて翼とお揃いで買った。


「翼くんが着たら、顔に似合わずって感じだよね」

「いいの!翼、ホントはかわいいんだから」


翼、絶対に喜んでくれるだろうな。


久々に理恵と、翼のことや理恵の彼氏のことをたくさん語り合った。