「ちょっと待った……。きっと翼を連れてきたら、お金は翼が出すだろうな」
あたしはさっきの店員さんに「やっぱり買います!」と言って、お金を払った。
時計を見ると約束の1時間を余裕で過ぎていた。
「まずい!!」
あたしは待ち合わせ場所まで走った。
「流奈~、おせぇ~よ!」
「ごめん~!迷った」
「あれ?なにか買い物したの?」
あたしの持つ袋を見て翼が言った。
「翼も?」
翼も両手に紙袋を持っていた。
「あぁ、もう買っちゃったよ。サイズも絶対、大丈夫!」
ププッ。また翼と同じ行動してる♪
「なに笑ってんの?」
「流奈も買っちゃった」
「はい~?買っちゃったじゃねぇよ。お金は?」
「大丈夫!もう払ったから」
「払った、じゃない!いくらだった?」
「バカじゃん!値段なんて聞かなくていいの」
「無理、無理、男としてプライドが許さないから。いくら?」
「嫌だっ、言わない!これは流奈からのX'masプレゼント」
「いや、もう貰ったから」
「あれはイブのプレゼント」
「もう~。金使うなって」
「翼もだよ!」
「まったくよぉ~」
「いいから、いいから♪早く着替えようよ」
そう言って翼を引っ張った。
「……って、翼~、どこで着替えんの?」
「店のトイレで着替えちゃう?」
「マジ?いいよ」
「じゃあ、着替え終わったら、前で待ってるな」
あたしたちは少し照れながら洋服を交換して、トイレに入った。