「おかえり~!翼ぁ~、メリークリスマス!]

「うわぁ~スゲ~!流奈♪これひとりで全部やったの?」


あたしはこれまで見たことのない驚いた翼の顔がおかしくて、かわいくて、笑った。


「翼?その格好……」

「サンタクロースだよ♪流奈限定の」


そう。翼もズボンと上着タイプのサンタの格好をしていた。


「流奈、超~かわいい」

「翼……、どこで着替えたの?」

「ハハ。だよな。車の中」


あたしも笑った。そして翼は抱えた箱をあたしにくれた。


「これ!ケーキ♪♪」

「こんな大きいの?」

「オリジナルをオーダーしたの!開けてみて」


箱を開けたあたしは、感動で涙が止まらなかった。


大きな四角いケーキには、リースに包まれたふたりの似顔絵が描かれてあった。


ふたりの間には、ハートの形にイチゴが置かれていて、それらの上には「☆Merry Xmas☆」の大きな文字。


うれしくてうれしくて涙が止まらなかった。


翼の大きな大きな愛は、あたしにはもったいないくらい。


あたしは大きな愛に包まれ、すごく幸せだった。


ケーキの中の笑顔の翼とあたし。


それとは反対にあたしの目から大きな涙がこぼれ落ちた。


「流奈は泣き虫だな」


と言って、デコピンをしてきた。


「痛ぁ~い!翼のバカ!」

「アハハハッ、ごめん!流奈、ありがとな。こんなに素敵な部屋にしてくれて、料理もわざわざ買ってきてくれたの?」

「違うよぉ!自分で作ったんだよ。ぜぇ~んぶ♪」

「マジで?スゲーじゃん!感動した」


子供みたいにはしゃぐ翼を見て、「愛してる」と心の中で繰りかえしていた。