「次は許さねぇからな!」

「はい!わかりました」

「ってか、マジで寒いな」

「うん……」

「流奈、バスで来たの?」

「違うよ。歩いて」

「えっ、家から?」

「そぉだよ、なんで?」

「気合いだな」


翼はあたしの頭をなでながら爆笑した。


あたしもつられて爆笑した。


「ウチ行くか!」

「明日、仕事は?」

「休みなんだなぁ〜」

「本当〜。じゃ、流奈も学校休む!」

「ダメ!」

「ヤダヤダ!お願い、明日だけだから!!」

「ププッ。流奈、子供みてぇ」

「だって子供だもん!ねぇいいでしょ?」

「はいはい、負けたよ!!明日だけだぞ」

「やったぁ〜♪翼ありがと、じゃ〜おんぶ♪♪」

「なんでだよ!」

「足痛い」

「無理して歩くからだよ」

「ほら、乗りな」


しゃがみこんだ翼の背中に飛び乗った。


初めて出逢ったあのときのようにーーーー。


「大好き翼」


あたしは翼の肩にもたれかかった。


翼の部屋までおんぶしてもらい、ベッドの上で下りた。


不思議だね、あのときと同じ光景だよ。


公園で翼と出逢い、おんぶしてもらって、あたしはこのベッドの上に下ろしてもらった。


そして今日、すれ違ってたふたりが、あのときの公園でまた逢った。


偶然なのかな。


それとも初めからこうなると決まっていたの?


こんなドラマみたいなシナリオあるのかな。


着替えている翼を見ながら、そんなことを考え笑みがこぼれた。