「あ~っ!!」

「あっ!!」

「いま見た?」

「いま見たか?」


ふたり同じタイミングで言ったので、顔を見合わせ大笑いした。


「流れ星だよね?わぁ~、すごいっ!翼見た?流奈、見たよ!」


初めて見た流れ星にあたしは興奮していた。


「見たよ。ってか、スゲ~感動!流奈と一緒に見れたんだよ?本当スゲ~!マジすげ~!!」


翼も大興奮していた。


あれ以来、あたしは流れ星を見ていない。


翼と見た流れ星が最後なんだ……。


「あ~っ!でも、願い事するの忘れたぁ」

「ってか、できなくねぇ?あんな速さで卑怯だよな」

「うん、でもしたかった」

「じゃ、ふたりで今からしよう。絶対、効果あるよ!ふたりで見れたんだから」

「そぉだよね。じゃあさ、『せ~の』で心の中で唱えようね」

「よし、わかった!」

「せぇ~の!」

「せぇ~の!」


同時に空を見上げ、目をつぶった。



翼とずっと……、


ずぅーっと一緒にいられなすようにーーーー。



あんな速さの流れ星にお願いするには長すぎるくらいの力を込めて願ったあと、翼を見るとまだ目をつぶって願い事をしていた。


そして、翼は目を開け、あたしのほうを向くと、幸せそうに微笑んだ。