久々の学校。
少し遅れて校門を入ると、いつもどおり先生たちがあたしを囲んだ。
いつもならウザくてキレていたあたしも、先生たちにあたりことはなかった。
「おい、流奈!来たのか~!」
「あ……、うん」
「お前、雄也と別れたのか」
「なんで?」
「雄也がかなり荒れてるからよ~」
「そう。別れた」
「どうしたんだよ?」
「まぁ、いいじゃん」
相談室にある自分の制服に着替えて教室へ行くと、理恵が近寄ってきた。
「流奈ぁ!マジなんで連絡くれないの?」
少し怒り気味な理恵。
あたしがおちゃらけると、冷たい視線を返してきた。
「本当ごめん」
それから翼のことを理恵にすべて話した。
「いいなぁ!相変わらず流奈はモテてぇ~。あたしも誰かと恋に落ちたぁ~い」
「バカ!理恵には将クンいるじゃん」
久々だったこともあり、理恵と話が弾んだ。
「あ……」
そのとき雄也が、あたしたちの前を通った。
「かなり荒れてるよ、雄也クン、学校終わってからも」
「……もう関係ないよ」
「雄也クンもほかの中学に女いるみたいな噂だけどね」
雄也のあたしを見る目は鋭かった。
教室に入ると、みんながいっせいにあたしを見た。
そして授業が始まるとともに、あたしは爆睡した。
この日からあたしは毎日、学校に顔を出した。
翼との「約束」だったから。