「あっ!もうひとつ追加していい?」

「もうひとつ?なに?」

「浮気はしないでな」

「ププッ、それは無理かな」

「はぁ?」

「嘘……うっそ!翼だけだもん!」

「本当か?」

「神に誓って」


神に誓ってーーーー。


約束。


翼との約束ならあたし守れるよ。


「よろしい!」

「ヘヘッ」

「さぁぁて。じゃ、俺んちでゆっくりしような!」

「うんっ♪」


あたしはウキウキだった。


行きひゃあんなにも長い道のりだったのに、帰りはあっという間に翼の家に着き、寂しさを感じていた。


翼の家に到着した。


「3回目だなっ、流奈のお泊りは」

「そぉ~だね!」

「1回目は突然、俺の目の前に現れて。2回目は昨日」

「でも、翼、昨日は疲れてすぐ寝ちゃってたね」

「ごめんなぁ。今日はたくさん、たぁ~っくさん話しような!」

「うんっ!」

「流奈?好きになってくれて、ありがとうな」

「流奈もだよ……」


あたしたちは、はじめてKISSをしたーーーー。


今まではおでこにしかしてくれなかったKISS


今日は初めて唇にしてくれた。


心臓がバクバクいって、この心臓の音が翼に聞こえちゃうんじゃないかってくらい、ドキドキしていた。


不思議だよ。


今までKISSなんて簡単にしていたのに……


こんな気持ちになるなんて。


翼があたしをギュッと抱きしめて言った。


「流奈、マジ可愛い!離れたくないよ俺……」


こんな感情……なんて言葉にしたらいいのかわからないくらい、幸せで胸がいっぱいだった。


そして、あたしたちは、この日初めてひとつになった。


翼の背中は大きくて、温かくて、あたしを包みこんでいた。