「よし!出発だ」

「うん!」

「流奈、手!」


翼に手を差し出され、あたしは照れながらも握った。


翼の大きな手があたしの手をしっかり包んでくれている。


翼の運転している姿が、かっこよくて、見とれていた。


「どした?」

「翼かっこいい!」

「んなことねぇよ!」


照れてる翼が愛しく思えた。


その日は翼の家に泊まり、次の日、朝から出発して、車の中では途切れることなくずっと会話していたら、あっという間に目的地のプールに着いた。


「じゃあ着替えたら、ここで待ってるな」

「うん!」


とても幸せだった。


こんなデートしたことなんて、なかったから……。


翼といると本当に新鮮だった、ないもかもが。


恋をするとドキドキするんだね!


その人のこと考えて、逢いたいって思ったり、愛しく思えたり、胸が苦しくなったり、不安になったり……。


今までになかった感情だった。