幸せだった……。
こんな出逢い方もあるんだと自分でも信じられなかった。
あの日、あたしが男と遊ばなかったら。
雄也とケンカしなかったら。
あてもなく公園にたどり着かなかったら、翼には出逢うことなかったんだよね……。
そう、出逢うことなかったんだ。
翼は毎日、仕事だった。
休みは日曜だけ。
海へ行った日から1週間逢ってなかった。
毎日の電話だけで我慢していた。
電話だけで繋がっていた。
仕事が終わってからいつも「逢いにいく!」と言ってくれる翼に「我慢、我慢」って断っていた。
疲れてるのわかってたから、すごく逢いたかったけど我慢していた。
土曜日の昼休みに翼から電話が来た。
ピッチのディスプレイに翼の名前が出るだけで、あたしの顔はほころんだ。
「流奈、明日は休みだから海でも行く?」
「うん!でもさ、もうこの時期ってクラゲたくさんいるよ?」
「だよなぁ……。じゃ、プールでも行く?」
「うん!行くぅ~♪」
「じゃあ、今日ウチ来る?」
「えっ?」
「変な意味じゃないよ。逢いたいから……」
「うん!行く!」
「じゃ、仕事終わったらそのまま迎え行くから」
「わかったよ!支度しておくね」
久々に翼と逢える……。
ドキドキだった。
張り切って支度し、ばっちり化粧した。
バッグにこの間、理恵と買い物行った水着を入れて、洋服も何時間もかけて選んだ。
いつもジャージかコテコテのヤンキー服ばかり着ていたから、久々に着たオシャレ服はなんだか変な感じだった。
支度を終えると、翼からかかってくる電話をいまかいまかと待ち、ピッチと睨めっこしていた。



