あたしは理恵と2ケツして色々なところに出没した。
真夏の心地よい夜風とは反対に動きだす、あたしの“悪”の心。
中学には女の不良は先輩しかいなくて、あたしは雄也のグループとつるんだ。
ただ、この時から悪さを覚えた理恵だけは、あたしといつも一緒だった。
男といたほうがラク。
ただ、それだけだったが、周りはあたしのこと「男好き」「遊び人」、そう白い目で見ていた。
当然、親の怒りは相当なものだった。
「あんたをそんな子に育てた覚えはない!」
何度も何度も怒鳴られた。
「あんたたちに育てられた覚えはねぇよ!」
あたしは家を飛び出した。
「マジ、ウザいんだけど、ウチの親~」
そう言って、理恵に電話した。
「ウチも大ゲンカ中だよ。今からどこか行かない?」
「いいよ~。じゃ迎え行くよ!」
この前、盗んだ原チャリで迎えに行った。
でも、少しだけ複雑だった……。