「ねぇ、流奈~つまんなくねぇ?どこか行こうよ」

「う~ん、ってどこ行くよ?足ないし」

「だよね……」

「あっ、そうだ!いい考えがある!」

「なに?」

「ついてきて!」


あたしはスーパーに行ってハサミを万引きした。


「流奈、なにすんの?」

「いいから、いいから!」


理恵を見ると、まるで子供のように目を輝かせていた。


「ここ、ここ!」

「原チャリじゃん!」


あたしは理恵に笑いかけ。ハサミで細工をしてエンジンをかけた。


「これでオッケ~!理恵、うしろに乗りな!」

「マジ?乗れんの?すごいんだけど~」


カギもないのに、エンジンがかかったことに理恵は目を丸くしていた。






中1の夏ーーー。


あたしは万引きを窃盗をいう罪をおかした。


これが全ての始まりだった。



罪の意識なんて、これっぽっちもなく、あたしに残されたのは快感だけ。