2005年12月30日。


翼がこの世を去って10年が経ったその日、あたしの元に1通の手紙が届いた。







愛する流奈へ



そう封筒に書かれた文字に震えが止まらなくなり、


手の中にある信じられない現実に足がすくみ、心臓が高鳴っていた。


その日の夜、あたしはひとり、海へと足を運び、手紙を静かに開いた。