いつも翼と一緒だった。
この海にはじめて来たときに翼に告白されたっけな……。
そして、この海に2回目に来たとき、ふたり一緒に流れ星を見たんだ。
あの願い事、叶わなかったね。
やっぱり星が過ぎてからの願い事は叶わないんだね。
翼はなんて願い事したのかな……。
でも、あの日、あたしと翼は愛を誓い合ったんだ。
なのに、こんなにも早く離れることになるなんて。
あのときのあたしたち、想像もしなかったね。
3回目の海で、翼はあたしに、こんなあたしに、プロポーズしてくれた。
「流奈が16歳になったら」って約束したね?
翼……、迎えに来てくれるよね、16になったら流奈のこと。
そして、今年最後の海に行こう。
その約束は叶わなかったね。
あたしが、いけないんだよね。
あの日、コンビニになんか行かなければ、ここでまた翼ときれいな星空見られたのにね。
あの日があたしたちのすべてを狂わせたんだ。
それでも、こんなあたしをまた受けとめてくれた。
それから、またふたりで海に行く約束したのに、翼は還らぬ人となった。
約束したのにね。
この海に来ることを。また、ふたりで――。
「つばさぁぁああ!」
海に向かって叫んだ。
「戻ってきてよ……、戻ってきて。翼がいなきゃダメなの。あたしひとりじゃダメなんだよ……」
誰もいない海で、ただひとり、あたしは泣きつづけた。
「ダメなんだよ……、あたしひとりじゃ……」
翼とのいろいろな思い出が、あたしの頭の中をゆっくり駆けめぐった。