あたしたちはベッドに入って、いろいろな話をした。
翼はずっとあたしの頭をなでながら、何回も何回も、あたしの顔を覗き込んでいた。
翼が頭をなでてくれると魔法にかけられたみたいで、本当に心地いいんだ。
そのとき、翼が大笑いした。
「なに?いきなり?」
「だって流奈の目、とろ~んって感じなんだもん」
「そんなことないよ。翼が頭なでるから、なんだか心地よくなっただけだよ」
「マジ、流奈って子どもみたいだなぁ~」
だって、子どもだもん!そう思いながら、
「うるさいよ!!」
と、ちょっとふてくされていた。
あたしは子どもと思われるのが嫌だった。
翼から見たら、あたしなんてなんの魅力もない、ただのガキ。
わかってるから、子どもっぽいって言われることに抵抗があった。
早く大人になりたい。
そう思ったりもした。
「流奈?怒った?」
「怒ってないよ、べつに」
「べつに……ね……」
「嘘だよ~!怒ってないから」
「じゃ、チューして」
「もう、翼ってばぁ!」
目をつぶってる翼にそーっとKISSをした。
翼は幸せな顔をして、唇が離れても目を閉じたまま、また頭をなでてくれた。
「流奈も少し目つぶりな。眠いだろ?」
「う……ん……眠いかな……」
「寝てないだろ?」
「うん……、昨日から寝てない、全然」
「ば~か!体壊すから少し寝な」
「わかった」
あたしは翼にしがみつき、翼の心臓の音を聞きながら眠りについた。
翼はとても温かかった。