「早く出さなきゃな」

「そうだね」

「いやぁ~、それにしてもさ、今年もあと2日だなぁ……」

「早いよね……」

「流奈と出逢っては、なんだか毎日がすごく充実してるよ」

「本当?」

「本当だよ。仕事にしても、すごくやり甲斐あるし、俺、心から流奈と出逢えたことを感謝してるよ」

「そうだね。ありえない出逢い方したからね、うちら」

「しかし、ひどかった!」

「なにが?」

「あのときの流奈の顔」

「本当、うるさいよ!」

「ごめん。ゴメーン!でも一生忘れないかな」

「もう、やだぁ!翼ぁ~」

「……流奈?」

「今度はなぁに?」

「流奈は幸せ?いま俺と一緒にいて幸せ?」

「なにっ?いきなりどうしたの?」

「いや……、真面目に答えて」

「翼、なんか変!」


あたしは笑い飛ばした。


「真面目に!」


翼の真剣な顔にびっくりした。


「幸せ。すんご~く幸せだよ!翼がいるから、流奈はどんなことがあっても大丈夫だよ」

「そっか。じゃあ俺のこと好き?」

「えっ!?……大好きだよ」

「じゃあ『愛してる』って言って」

「どうしたの?翼?」

「愛してる?」

「うん♪愛してる」

「よかった……」

「なんか本当変だよ、翼」

「不安になるんだよ」

「ばっかじゃ~ん!」

「流奈は笑ってるんだよ?つらくてもね、笑ってるんだよ……。いい?」

「はい!?なに……」

「なに真剣な顔してんの、流奈~!」

「意味わかんない!翼が変なこと言うんじゃん」

「ばっかじゃ~ん、流奈」

「もう!」


部屋に笑いが溢れた。


翼との幸せな日々が戻ったような気がした。


そう、あたしにとっては、翼と一緒にいられることが幸せなんだ・


やっと見つけた、あたしの居場所ーーー。