「翼ぁ~!もういいよぉ!もったいないからとっておこう?」

「いいんだよ……今日は……」

「今日は?」

「そうそう!流奈が戻ってきた日だし、またスタートの日だから」

「まったく~!また買いに行かなきゃだね!!」

「どうせ残り2枚だし」

「マジで!?じゃあ撮っちゃおうか!」

「よし!」

「じゃ、ふたりとも変な顔しよーよ!で、どっちが不細工かで勝ち負け決めるのな」

「えーっ!?」

「ほら、やるぞ!判定は写真ができたときな」

「いいよぉ!じゃあ、流奈が勝ったらどうする?」

「う~ん……、しょうがねぇなぁ。流奈の言うことなんでも聞いてやるよ」

「よしっ!」

「じゃあ、俺が勝ったらどうする?」

「しょうがないなぁ~、翼の言うことなんでも聞いてあげるよ!」

「マジ?言っちゃった?」

「いいよぉ~。負けないし!」

「よしっ!じゃあいくよ?」



「ハイ、チィーズ♪♪」



「アハハハッ。おもしれ~!絶対、俺の勝ちだから」

「ムリムリ、流奈だって負けないよ」

「俺はもう言うこと考えたしね」

「現像楽しみだよ」

「そうだな!じゃあ残り1枚だから、ちゃんと撮ろうな」

「うん!」

「よし!いくぞぉ~!ハイッ、チーズ!!」


あたしは精一杯の笑顔で。


翼はカメラを巻きだした。