「翼?いっぱい撮ろうね」

「そうだね。今日はゆっくり家にいよう」

「たまにはいいよね」

「でも、明日からは忙しいよ?寝ぼすけ流奈ちゃん?」

「明日から?なんで?」

「当たり前だろ、年越しだよ?明日の夜は海だろ?大晦日はいま検討中だけど、元旦はもちろん初詣」

「翼……、ありがとう」

「なんだよ、急に」

「翼は本当、あたしにたくさん幸せくれるから」

「んなことねぇ~よ!まだまだ、足んねぇ~から!これからもっと思い出作るんだよ!」

「そうだね!たくさん、たぁーっくさん思い出作らなきゃ」


そんな話をしながら、あたしたちは翼の家に戻った。


着いたとたん、翼はカメラの袋を開けてベッドに腰かけた。


「よぉし!流奈!!おいで」


あたしは翼に寄り添った。


翼は左手でカメラを持ち、右手であたしの肩を引き寄せた。


「行くよ?流奈、笑って笑って!!」

「ハイ、チーズ♪♪」


その後もたくさん、たくさん撮った。


翼とチューしている瞬間。


翼のおちゃらけた姿。


翼の変な顔。


翼もあたしの写真をたくさん撮っていた。