でも、違うんだよね。


あたし、翼のことなんて、なんにも考えてなかった。


ただ逃げていただけ。


車の中でそんなことばかり考えていた。


「よぉし!俺たちの愛の巣に到着だぁ~!!」

「ヘヘ♪愛の巣~?」

「当たり前じゃん!!」



翼はいつもそう。


あたしを元気づけてくれる。


いけないことはいけないって叱ってくれる。


いろんな形で喜ばしてくれる。


ハラハラしたり、ドキドキしたり、いつもあたしにいろんな感情をプレゼントしてくれるんだ。


いつもそうだった。


つらいときも、ひとりで寂しいときも。


気がつけばいつも翼がいてくれた。




そう、いつでもあたしのそばに翼がいてくれたんだ。