翼と別れて3日経った。


あたしは朝方まで遊びほうけて、家の近くまで加奈に送ってもらった。


「じゃ~ね!また連絡するよ!」

「ありがと。気をつけてね」

「はいよ~」


歩き始めると、「流奈ぁ!」と加奈があたしを呼んだ。


「なに~?」

「大晦日、日の出暴走、行くっしょ?」


日の出暴走。


12月31日の夜からみんな走り出す。


それにずっと憧れていた。


大晦日……。


本当なら翼と……。


そう思いつつも、「あ、行くよ!」と答えていた。


「そしたら流奈、運転よろしくね!」

「はい、はい!じゃあね」


加奈が単車で去るのを見送ってから、家の近くまで帰ってくると、あたしの家の前に理恵が座っていた。


「なに?」

「話あるから来てくんない?」


理恵はそれだけ言うと歩きだした。


あたしはただ理恵の後をついていった。


近くの公園に着いて理恵はベンチに座り、あたしを睨んだ。


「マジあんた、最悪ね……」


理恵の言葉にあたしもキレた。


「最悪?ぁあ、最悪だよ」


理恵の座っているベンチを蹴った。


キレてる理恵の顔が、いっそうこわばった。


「翼くんの気持ち考えたことある?」

「なんで?なんで理恵に言われなきゃいけないの?」

「翼くん、流奈のこと待ってるんだよ。流奈のこと信じてるんだよ?わかる?」

「もういいんだよ!ほっといてくんない?」

「本当最低!いまのあんたはクズだよ!!人間としてサイテーだよ。こんなヤツと友達だったかと思うと、自分に腹立つわ」

「じゃあ、来んなよ!友達じゃねぇなら、こんなことすんなよ。おせっかいもいいとろこだよ!!」


バシッーーーー


「いってっ……」


理恵があたしの頬をひっぱたいた。