「…………あれ、春斗さんじゃないですか?」


声に振り向くと、そこにはやたらと髪型が奇抜な青白い少年がいた。



「……斗春だっての。お前は相変わらずだな、ミスター・ミスり」



「んな、恥ずかしい名前で呼ばないでくださいよ。あ、ミスり探偵です」


亜九谷に対し、軽く会釈。


「それで、こんなとこで何してんです?ホール内では見掛けませんでしたけど」


「あ゙」


今、1番触れてはいけない、とってもナイーブな部分に、ずばりと刺し込んでくる質問に亜九谷は思わず、音を漏らした。



「ん……いや、まぁ、寝坊……してな」


あ、逃げた。


「ふーん……完全に嘘ついてるのは分かりますけど、気にしないことにします」


あ、バレてた。


「くそ〜。まぁ、ちょうでいいや。何がどうあって、これだけの探偵が守る中で宝石が盗まれたのか、聞かせてくれよ」



三澤の言葉に、ミスり探偵は語り出した。