檻の中の姫

「多分ココ。」





ユリアはキョロキョロあたりを見回すが、





家なんてもの見当たりもしなかった。





見えるのは大きな木の枝と葉だけ。





「家なんてないけど??」





「だーかーらー!!


結界が貼ってあるって言っただろ!?」





「ゴメンなさい。


でも、結界が貼ってあるってことは入れないの?」





セイは内心、





ユリアの発言に驚いていた。





セイはユリアのことを大切に育てられたお嬢様としか見ていなかったからだ。